被爆地復興とともに年輪を重ね、力尽きたポプラの木が1日、広島市中区基町の本川東岸で市民に惜しまれながら伐採された。切り株は防腐処理してベンチとして使われる。
枯死したポプラは高さ約11メートル。昨夏の猛暑で衰弱した。保護を続けた市民団体「ポップラ・ペアレンツ・クラブ」が伐採を依頼。詰めかけた約50人が見守る中、作業員がチェーンソーで幹を切断し、涙を浮かべる女性もいた。幹は小分けし、希望者に配った。
樹齢は不明だが、復興期に植えられたとみられる。最盛期は高さ約26メートル。水辺のシンボルとして親しまれ、一帯は「基町ポップラ通り」と呼ばれたが、2004年の台風18号で倒れ、植え直しで半分ほどに切られた。
【写真説明】惜しまれながら伐採された本川東岸のポプラ。被爆地の復興を見守ってきた(1日午前9時5分、広島市中区)