浜田、江津両市で10月、サルが車のサイドミラーなどを壊す被害が8件相次いだ。車体からもぎ取ってたたき壊す手口が似ているため同一ザルの可能性が高い。人への被害はないが、両市は防災メールなどで注意を呼びかけている。
江津市松川町太田では8日、会社や民家の軽トラック3台のドアミラーが1—2個ずつもぎ取られたほか、ガレージのミラーがもぎとられそうになって支柱が倒された。その後、両市が確認した被害は12日(江津市江津町本町)▽28、29日(浜田市国分町)▽31日(同市上府町)の計4台。軽ワゴン車か軽トラックで片側か両側のミラーがもがれた。屋根の上でサルがミラーをのぞいたり瓦にたたきつけたりする様子を数人が目撃している。
サルの生態に詳しい広島フィールドミュージアムの金井塚務代表(57)は「鏡を見せる実験では自分が分からず怒るサルもいる。発情期で興奮したオスが自分の映ったミラーを揺さぶるのではないか。はぐれザルの行動範囲は100キロにも及ぶので同一個体の可能性は高い」とみる。ただ野生ザルが人を襲うことはほとんどないという。
【写真説明】サルにもぎとられ、鏡が割られたとみられるドアミラー(浜田市)