広島県内の労働基準監督署から賃金不払いなどで是正勧告を受けた県内企業が2007年度、従業員に支払った不払い残業代の総額は15億7642万円に上り、前年度の約2.3倍に増えたことが、広島労働局のまとめで分かった。企業数も86社で過去最多だった。
労基署が立ち入り調査し、是正指導した事業所のうち、支払額が100万円以上のケースを集計した。総額は統計を取り始めた01年度以降、2番目の多さで、06年度の6億9081万円に比べ8億8561万円増えた。昨年度の全国の総額は272億4261万円で、約45億円の増。その2割を広島県の増加幅が占めた計算になる。
1社当たりの支払額が最多だったのは、通信会社の3億7100万円で、金融・広告会社の2億8978万円などが続いた。1億2315万円が最高だった前年度に比べ、金額が多い事案が目立った。企業数は、これまで最多だった06年度に比べて20社増の86社になった。業種別で最も多いのは商業の24社で、製造業21社、建設業10社と続いた。