【イスラマバード29日共同】パキスタン西部クエッタの北東約60キロを震源に、29日早朝に発生したマグニチュード(M)6・4の地震で、地元行政当局者は同日、約170人が死亡、約400人が負傷したことを明らかにした。
地元テレビによると、多数の家屋が全半壊。現場はアフガニスタンとの国境に近く、同国南部カンダハルなどでも被害が出ている。余震が断続的に続いており、被害がさらに拡大する恐れもある。
被害が大きかったクエッタの東約120キロのジアラット地区だけで約1万5000人が家を失ったとの報道もある。夜間には気温が氷点下まで落ち込むため、国軍がヘリコプターを動員するなどして救援活動を急いでいるが、被害範囲が広くインフラ整備も不十分な地域で、作業は難航している。
クエッタを州都とするバルチスタン州はパキスタンで最も貧しい地域の一つ。家屋の多くが泥を塗り固めた粗末な構造のため、被害が広がった可能性が高い。現地時間の午前4時半ごろと午前5時10分ごろに大きな揺れが続いて起きたという。