2008年10月30日(木) 00時05分
建設会社に4億円賠償命令 耐震偽装ホテルで奈良地裁(中国新聞)
耐震強度偽装が判明し休業を余儀なくされたとして、「サンホテル奈良」(奈良市)のオーナー会社が建設会社などに損害賠償を求めた訴訟の判決で、奈良地裁は二十九日、ホテルを建設した木村建設=破産=の債務保証をした日動工務店(熊本市)に、請求額とほぼ同額の約四億七千万円の支払いを命じた。
開業指導した「総合経営研究所」(総研、東京)や、確認検査機関イーホームズ=廃業=への賠償請求は棄却した。
判決理由で坂倉充信裁判長は「ホテルは耐震基準を満たしておらず構造上主要な部分に欠陥があった」と認定。木村建設には「瑕疵担保責任」があり、偽装を知らなくても欠陥による損害賠償に応じるべきだとした上で、保証人の日動工務店に支払いを命じた。
ホテル側は「総研はコスト抑制のため鉄筋量を減らすよう指示した」と主張したが、判決は「総研や内河健所長が偽装を指示した事実は認められない」と退けた。偽装を見抜けなかったイーホームズにも過失はないとした。
判決によると、サンホテル奈良は二〇〇五年十一月に開業したが、耐震強度偽装が発覚し二十日後に休業。ホテルの構造計算書は姉歯秀次元一級建築士=建築基準法違反などで実刑確定=が偽造していた。
サンホテル奈良の滝沢義一郎総支配人(51)は「総研の責任が認められず大変残念」と話した。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200810290295.html