2008年10月30日(木) 00時31分
耐震偽装 ホテル休業に4億7500万円賠償命令(産経新聞)
元1級建築士、姉歯秀次受刑者(51)=建築基準法違反などの罪で実刑=による耐震偽装事件で休業に追い込まれたとして、「サンホテル奈良」(奈良市)のオーナー会社が損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、奈良地裁であった。坂倉充信裁判長は開業指導を行った「総合経営研究所」(東京都)と指定確認検査機関「イーホームズ」(同、廃業)への請求は棄却。ホテルを建設した「木村建設」(熊本県八代市、破産)の債務保証をした「日動工務店」(熊本市)のみ賠償責任を認め、請求とほぼ同額の約4億7500万円の支払いを命じた。
訴えていたのは、サンホテル奈良を所有する「増富」(奈良市)。
坂倉裁判長は判決理由で、「ホテルは耐震基準を満たしておらず、構造上主要な部分に欠陥があった」と認定。木村建設には「瑕疵(かし)担保責任」があり、賠償責任は偽装の認識の有無に左右されないとした。
一方で、総研については偽装を指示した事実は認められないと判断。偽装を見抜けなかったイーホームズにも過失はないとした。
木村建設の社長は、姉歯受刑者による構造計算書偽造を知りながらサンホテル奈良側に工事代金を支払わせた詐欺や建設業法違反の罪で有罪が確定している。
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