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2008年10月27日(月) 23時28分

山口・日銀副総裁就任 危機対応へ「組織力発揮」産経新聞

 政府は27日開いた持ち回り閣議で、日銀の山口広秀理事を日銀副総裁に任命した。副総裁ポストは2人のうち1人が空席だった。約半年ぶりに正副総裁3人がそろったことで、日銀は今後、金融危機への機動的対応に向けて行内の体制強化に取り組む方針だ。

 この日の就任記者会見で山口副総裁は、金融危機を踏まえ「日銀のかじ取りはいっそう難しさを増している」と指摘。副総裁の使命の一つに日銀の組織力発揮を挙げ、行員が誇りを持って専門性を生かしていく重要性を訴えた。

 世界の金融情勢については「著しく緊張感が高まり、リスク回避姿勢が強まっている」と指摘。ただ、0.5%としている政策金利は「日本の経済成長率、物価上昇率からみて極めて低い緩和的水準」と述べ、欧米を追随する利下げに否定的な考えを示した。

 山口氏は昭和49年に日銀入行後、高松支店長、経営企画室審議役、企画局長などを経て平成18年2月から理事。18年春の量的緩和政策解除では、当時理事だった白川方明(まさあき)総裁とともに異例の政策の終結に奔走した。

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