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2008年10月27日(月) 23時28分

【金融危機】「苦肉の策」効果はいかほどに産経新聞

 麻生太郎首相の指示を受けて27日、中川昭一財務・金融担当相が示した緊急市場安定化策は株価の下支えを強く意識した内容となった。麻生首相が「あらゆる手段を講ずる」と語ったように、株価が安定しているときには批判されかねない政策も盛り込まれ、苦肉の策ともいえる。同日の東京株式市場では、最終値でもバブル崩壊後の安値を更新するなど、市場の反応は鈍かった。

 「苦肉の策」の最たるものが、政府の銀行等保有株式取得機構による2年ぶりの銀行保有株の買い取りの再開だ。株価の急落で含み損が膨らんだ保有株式を取得機構が買い取る。含み損が膨らむことで、経営の健全性の目安となる自己資本比率の低下を防ぐ狙いがある。

 政府が株式を買い取ることで、金融機関の財務が株価下落で痛むのを防ぐことが目的だ。

 取得機構は平成14年に金融機関の不良債権処理の過程で、企業の持ち合い株の解消を進めるに当たり、株価下落を防ぐための受け皿として設立された。平成18年までに日銀とともに約3兆6000億円の株式を買い取った。

 一方、市場の下げ圧力になっているとの批判が強い空売り規制について追加対策も盛り込んだ。

 通常、空売りは投資家が証券会社から株を借りて市場で売却する。下落局面で高値で売却し、安値で買い取ることによって生まれる差益を狙った取引だが、今回は事前に株式を確保せずに空売りする取引について11月4日から禁止する。また、企業の発行済み株式総数の0.25%以上となる大口の空売りも投資家に取引所への報告義務を11月中旬をめどに課す。

 ただ、日本は欧米よりも早く空売り規制に取り組んでいた面もあり、効果は限定的との見方が強い。

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空売り規制強化、11月から実施
銀行株買い取り再開も 政府の緊急市場安定化策

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