政府、与党は二十六日、追加経済対策の柱の一つとなる二兆円規模の定額減税に関し、現金やクーポンなどの配布による「給付金方式」とする方向で調整に入った。給付金の場合、高額所得者は支給の対象外とする所得制限も検討する。与党税調幹部が明らかにした。
自民党や財務省は事務上の煩雑さから減税措置よりも給付金方式を提案。これに「定額減税」を要求した公明党があくまで「減税」にこだわったが、容認の方向に転じた。
与党税調幹部は二十六日、給付金方式について「即効性や対象者が幅広い点で効果が大きく、年度内に実施できる」とメリットを強調した。一方で、与党内には給付金方式は「ばらまき」の印象を強めかねないとの指摘も残っている。
当初は、課税最低限より所得が多い世帯には減税で、福祉政策の対象となる低所得の高齢者や母子家庭には給付金を支給する方向だった。ただ、減税に関しては(1)低所得の若年層が対象から抜け落ちる可能性がある(2)給与明細上で数万円が戻っても実感が乏しい—との問題点が指摘されていた。
財務省は減税そのものに慎重だったが、与党が減税実施と財源を固めた後からは給付金方式が望ましいとの考えを示していた。公明党も支持者には「定額減税を『給付』の形で実現する」と説明し理解を求める考えだ。