三菱UFJフィナンシャル・グループが、二〇〇八年度中に最大一兆円規模に上る資本増強を検討していることが二十六日、分かった。世界的な金融危機による株価急落を受けて保有する企業株式の価格が大幅に下落、含み損が膨らんでいるため、財務基盤を強化するのが狙いだ。
みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループも大規模な増資を検討しているもようで、国内の三つのメガバンクがいずれも自己資本の目減りを防ぐ対策に乗り出す。
三菱UFJは、普通株による増資と優先株の発行などを組み合わせて資金調達する方向で検討中。ただ、金融市場は大荒れの展開が続いているため、株価の状況などを見極めた上で実施時期や調達額を最終判断する。
三菱UFJは八月以降、米地方銀行ユニオンバンカル・コーポレーション(UNBC)を完全子会社にしたほか、消費者金融大手のアコムも連結子会社化。米証券大手モルガン・スタンレーに対する九十億ドル(約九千億円)の出資と合わせ、投資総額が一兆数千億円に達していることから、増資は巨額出資を補う側面もある。
米国発の金融危機を受けて経営破たんするなどした欧米の金融機関に比べ、邦銀は経営が健全とされているが、三菱UFJなど三メガバンクは〇八年九月中間決算で大幅減益に陥る見通しとなっている。