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2008年10月27日(月) 03時04分

誤差数千万年に1秒…「光格子時計」東大グループが実験成功読売新聞

 数千万年に1秒しか狂わない現在最高水準の原子時計の精度を上回る「光格子時計」の実験に、香取秀俊・東京大学准教授らのグループが成功した。

 次世代の超高精度時計の有力候補と見られており、科学誌ネイチャー・フィジックスに27日、発表する。

 世界の標準時を決めている現在の原子時計は、装置の中で宙に浮かせたセシウム原子が出す光の周波数を測定して、1秒を決める。これに対し、香取准教授らの光格子時計では、前後、左右、上下の6方向からレーザーを照射して、原子を固定する極微の「光の立体格子」を作製し、そこに原子をはめ込んで周波数を測定するため、原子時計に比べて格段に正確な計測が可能になった。

 実際に、セシウムより周波数の高い10万個のストロンチウム原子をこの格子に1個ずつ固定し、2000兆分の1秒の細かさで時間を計ることに成功。現段階では原子時計の2〜10倍の精度だが、原子数を増やすことなどで改良を加えれば、宇宙の誕生から現在までの時間に匹敵する100億年に1秒以下しか狂わない究極の時計が、理論的には実現できるはずだという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081026-00000039-yom-sci