2億円の宝くじに当せんした岩手県一関市の無職吉田寿子さん=当時(42)=が2005年に殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された元交際相手の元新聞配達員熊谷甚一容疑者(51)が大船渡署捜査本部の調べに「当せん金のうち数千万円を借りていた。吉田さんに『返して』と迫られて口論になり、殺害した」と供述していることが25日、分かった。
捜査本部は口論をきっかけにした衝動的な犯行との疑いを強めている。
吉田さんの遺体は、熊谷容疑者が事務所として使っていた岩手県陸前高田市の建物の敷地で発見された。熊谷容疑者は「ロープで首を絞めた」と供述しており、捜査本部は殺害後にあわてて遺体を付近に遺棄したとみて、口論や殺害の経緯などを調べている。
吉田さんの当せん金をめぐっては、熊谷容疑者が一部を自身の借金返済に充当したほか、県内の飲食店経営の女性に渡していたことが捜査本部の調べで判明。当せん金以外にも吉田さんから借金し、返済を再三迫られていた。