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2008年10月26日(日) 02時31分

<沖縄不時着>燃料切れが原因? 米軍、機体差し押さえ拒否毎日新聞

 沖縄県名護市のサトウキビ畑に米空軍嘉手納基地の男性空軍兵4人が乗った軽飛行機(セスナ172)が不時着、炎上した事故で、沖縄県警の事情聴取に対し、乗員の1人が「風が強くて思ったより燃料を消費した」と話していることが分かった。事故機は事故直前「燃料がない。パワーが落ちた」と無線交信しており、県警は燃料切れで不時着したとみて、航空危険行為処罰法違反容疑で調べている。

 県警などによると、事故機には嘉手納基地の愛好家らでつくる「嘉手納エアロクラブ」の4人が乗り、24日午後に嘉手納基地を離陸。同4時24分に奄美空港(奄美大島)に着陸し、44分後の同5時8分に離陸。同6時半ごろに不時着した。

 嘉手納基地報道部は「事故機は奄美で燃料補給した」と発表しているが、同クラブ機に通常、燃料を補給している奄美空港唯一の給油会社は「24日は給油しなかった」と話している。このため県警は事故機の給油状況についても確認する。

 セスナ172の航続距離は約1100キロ。奄美−沖縄間は約300キロで、燃料が満タンなら未給油で往復できる。

 一方、県警は同法違反容疑で検証令状を取り、25日午後、現場検証をした。日米地位協定の実施に伴う刑事特別法は、米軍財産についての差し押さえや検証に米軍の同意が必要と定めており、県警は米軍と合同で検証。県警は米軍に事故機の差し押さえも要請したが、米軍が拒否。同日夕、米軍が機体の解体を始め、終了次第、米軍が機体を嘉手納基地に搬送する見通し。

 事故を受け、沖縄県の上原昭・知事公室長は25日、嘉手納基地第18航空団司令官のウィリアムズ准将らに「事故原因の究明と公表、再発防止と安全管理を徹底するよう求める」と電話で伝えた。

【三森輝久】

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