記事登録
2008年10月26日(日) 23時17分

蓮池薫さん、母校・中大で恩師と対談 拉致早期解決訴え産経新聞

 北朝鮮による拉致被害者の蓮池薫さん(51)が26日、母校の中央大(東京都八王子市)で恩師の長内了法学部教授と対談し、「今は素直に『帰国できてよかった』といえる。だからこそ、ほかの被害者も一刻も早く帰ってきてほしい」と拉致問題の早期解決を訴えた。

 蓮池さんは同大のOBらが集まる「ホームカミングデー」に参加。平成10年6月に同大が蓮池さんの学籍回復を決めた際の法学部長だった長内教授と対談した。

 蓮池さんは「安否不明だった自分に対して、大学が学籍を回復し門戸を開いて待っていてくれた。これが救出運動に取り組む両親の大きな力になった」と母校に感謝。拉致された後の心境を「『日本に帰れる』というわずかな可能性に期待するよりも、子供のために朝鮮人として生きていこうと決断した」と振り返り、「子供を残して帰国後、北朝鮮に戻らない決断をしたときに妻は猛反対したが、最後は僕の決断を受け入れてくれた」と家族のきずなを強調した。

 長内教授は「拉致問題は人質を取られた戦い。(OBに法曹関係者の多い)大学として今後は法律的なサポートも検討したい」と引き続き支援する姿勢を示した。

【関連記事】
「拉致濃厚」新たに約30人追加へ 調査会、再検討で
北朝鮮、人権状況深刻 迅速な拉致問題解決を要請
麻生首相「拉致問題の立場を変えない」
学生に「もう時間がない」 拉致解決訴え横田さん夫妻講演
対北宣伝ビラに効果? 韓国で北の反発高まる

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081026-00000562-san-soci