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2008年10月26日(日) 01時03分

伊藤ハム会見「判断ミス」「認識甘かった」幹部陳謝 シアン検出 産経新聞

 25日に伊藤ハムが行った記者会見での主な一問一答は次のとおり


 −−検査の公表が遅れたが

 「1度目の検査(9月18日)で発表すればよかった。翌月に実施予定の年に1回の検査を待っていた。異常値が出て以降、担当者ベースで調査が進んでいた。40年間こういう事態がなかったため、検査の異常ではないかと検査を繰り返してしまったことで、組織的に経緯の把握が遅れた。工場長に報告がこない体制を見直して、すべての書類が工場長にくるようにしたい」

 −−この件での生産量は

 「1号井戸を製造に、その他の井戸水を掃除や機械の冷却に充てるなどして使い分けている。水による製造、稼働率への影響はないが、こういう報道でナーバスになる消費者の影響は予測できない。消費者の反応がシビアで量的に減ることは考えられるが、安全を確保したうえでお答えする。販売自粛は考えていない」」

 −−業績への影響は

 「はかりきれない」

 −−回収にかかる費用は

 「3億円強」

 −−9月18日以前の商品は回収しないのか

 「6月の定期検査ではシロだった。数字が出た段階からがクロという認識。ウインナーは品質保持期限が30日、ピザはもっと短いため、9月18日以前のものは品質保持期限が切れている」

 −−194万パックの中ですでに食べられたものは

 「安全性に問題がないということで報告が遅れた(ことで、すでに食べた人がいることは)お詫びしたい。食べたあとでも袋やレシートがあれば返金に応じる。健康被害は聞いていない」

 −−混入経路は

 「そこまでの調査はできていない。天然に存在するものなのか、集中豪雨でしみこむのか、周囲の工場が撤退した影響などの可能性があるがわからない。地下水をくみ上げるマンホールの鍵は担当者以外は空けられない。その下のフタにはナットで十数カ所固定。外からの混入は絶対にできない」

 −−日清食品など国産品の問題が相次いでいる。食品業界への影響は

 「食品は非常にデリケート。日夜気を遣っているが、日清の(防虫剤成分検出)がいたずらか分からないが、二度とこのようなことがないよう心を入れ替えてがんばる。それ以上の回答は控える」

 −−水道水への切り替えは

 「地下水への大きい危機感抱いた。東京工場で商品が作れなくなる。水の怖さを再認識した。水道水をひくことに本腰を入れる」

 −−問題発覚後の検査態勢は

 「2、3号井戸は毎日検査」

 −−専務の情報把握(22日)から発表まで時間があいた

 「23日に保健所に行って報告。すぐに発表と言われたが、得意先へのアナウンスをしながら回収をすすめたかった。そういう意味で3日の間隔が空いた。小売店には今日通達した。社内で対策を考える日が2日間あった。(23、24)と2日連続で保健所に行って指導を受けていた。休日をねらったわけではない」

 −−工場長から専務への報告が遅れたが

 「判断ミス。認識が甘かった。緊急の対応ということで該当の井戸を使わない体制構築に注力した結果、報告が遅れた。深く反省する」

 −−製品検査依頼が回収対象13品目中2品目だけだが

 「分析機関に確認したら、食品から分析できる限界値が0・1だ。異常値が0・03だった。商品に入る割合が10から20%といううことで検査に出しても数値がでない。ムダだと判断した。代表的なもので選んだ」

 −−水の検査は同じ業者か

 「認可を受けた業者しかできない検査。1カ月検査と3カ月検査をオーヤラックス。年に1回の検査はニッカウヰスキーにお願いしている」

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