神奈川県藤沢市と横須賀市で、「日清食品」製の「カップヌードル」などから防虫剤成分が検出された問題で、同社は24日、東京・新宿の東京本社で記者会見を開き、両市のケース以外に、今年4月以降、20件計26個のカップヌードルなどから防虫剤成分のパラジクロロベンゼンやナフタレンが検出されていたと発表した。
同社は「製造時に混入した可能性は低く、保管時ににおいが移った疑いがある」との見解を表明した。
これに関連し、今月20日、カップヌードルを食べて嘔吐(おうと)した藤沢市の女性宅と、先月27日、食べる直前に異臭を感じた横須賀市の男性宅には、商品から検出された成分を含む芳香剤や防虫剤があることが同県警の調べでわかった。いずれも購入から約1か月間、近くに芳香剤や防虫剤が置かれており、県警幹部は「成分が気化して容器内に染み込んだ可能性が高い」との見方を示した。
県警幹部によると、容器にも目立った穴は確認されなかった。藤沢市の女性宅には、パラジクロロベンゼンを含む芳香剤が、横須賀市の男性宅には、パラジクロロベンゼンを含む芳香剤とナフタレンを含む防虫剤があったという。
一方、日清食品によると、両市のケース以外に特に今年7月以降、「薬品のようなにおいがする」という苦情が全国から相次ぎ、このうち日本生活協同組合連合会(東京都渋谷区)が「CO・OPコープヌードルしょうゆ」などのブランドで製造委託した2件4個から最大92ppmのパラジクロロベンゼンが検出された。また18件22個からも、測定できないほど微量のパラジクロロベンゼンやナフタレンが検出された。健康被害は報告されていない。
同社は防虫剤の近くで保管すると、成分が容器を通って浸透し、内部のめんに付着することが実験で確認されたと説明。特に4月から導入した新容器「ECO(エコ)カップ」は、臭気が浸透しやすいとして容器を改良する方針を明らかにした。日生協も24日、同社に製造委託した5商品の出荷を停止するとともに各地の生協の店頭から撤去した。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081024-OYT1T00667.htm