沖縄県本部町沖で23日早朝に貨物船しゅりと衝突し、乗組員3人が死亡した漁船航平丸の名嘉村彰船長(52)が24日夜、那覇市沿岸漁協で記者会見し、衝突回避の行動を取った漁船の進行方向側に貨物船がかじを切ったとして、貨物船が漁船の存在を認識していなかった可能性があるとの見方を示した。
会見には、操船していた銘苅峰夫さん(33)も同席し、衝突時の状況を説明した。
それによると、漁船は北進中にレーダーと目視で右手前方の約6キロ先に貨物船を確認し、西方にかじを切ると、貨物船も同じ方向に針路を変更。約3・7キロ地点で貨物船がさらに西方に進路変更したため、漁船は避けようとして西にかじを切ったが間に合わず、船尾付近に衝突されたという。
名嘉村船長は「漁船がいると分かっていれば、普通ならば約3・7キロの距離でかじは切らない」と指摘し、貨物船が漁船を認識せず方向を変えたとの認識を示した。
死亡した3人に対しては「代われるものだったら代わりたい」と述べ、涙を流した。
また、衝突直後の現場付近で、航行中の別の船の回転灯を見つけたため、ライトを向けて救助を求めたがそのまま通過したという。