伊藤ハム(兵庫県西宮市)は二十五日、千葉県柏市の同社東京工場で、ウインナーやピザを製造する際に使っている地下水から、基準値を超えるシアン化物イオンと塩化シアンが検出されたため、計十三種類の製品を自主回収すると発表した。
回収するのは「あらびきグルメウインナー」などウインナーやソーセージ九種類と、「ラ・ピッツァマルゲリータ」などピザ四種類。
同社によると、工場内に三カ所ある井戸のうち二カ所で、シアン化物イオンと塩化シアンが一リットル当たり〇・〇二〜〇・〇三ミリグラムを検出、基準値(〇・〇一ミリグラム以下)を上回った。
伊藤ハムは「食べても人体に影響はないと考えている」としており、これまでに健康被害の報告はないという。
今年九月、三カ月に一回の水質検査をしたところ、井戸一カ所の数値が基準を上回った。その後の再検査でさらにもう一カ所も上回り、二つの井戸からの地下水使用を見合わせた。
地下水は、ウインナーやピザの製造や機械の洗浄に使っている。現在は二カ所ともシアン化物イオンや塩化シアンは検出されていないが使用は再開せず、残る一カ所の井戸の地下水で操業しているという。
伊藤ハムは二十五日午後八時から、東京都目黒区の同社東京事務所で記者会見し、詳しい内容を説明するとしている。