2008年10月25日(土) 14時45分
緊急地震速報、本格運用1年…「揺れ」に高まる関心(読売新聞)
地震発生を大きな揺れの前に知らせる「緊急地震速報」の本格運用から1年が経過した。
この間、岩手・宮城内陸地震などでも速報が流れたが、速報の難しさも明らかになっている。その一方で、地震に対する関心も高まり、家電業界なども巻き込み、様々な取り組みが広がっている。
一般向けの速報は、この1年に8回発表された。NPO法人・リアルタイム地震情報利用協議会によると、速報の受信装置は9月現在、全国約10万か所に設置されているという。今後、さらに増えることが予想される。
防災科学技術研究所(茨城県)は、メーカーと協力し、微動を検知して設置地点の震度を瞬時に予測できる受信装置を開発した。内蔵した地震計のデータで独自に強い揺れの到着を予測することで、気象庁の速報より最大4〜5秒早く警報音を鳴らせるという。昨年10月に発売を始め、首都圏のマンションや市役所など、すでに約450か所で設置されている。
三洋電機(大阪府)は6月、緊急地震速報を文字と音声で知らせるコードレス電話機を発売した。「数十年に一度しか作動しないこともあり得るが、日常的に使う物とセットで取り付けたいという利用者は多い」(同社広報部)。通信機器会社「レッツコーポレーション」(名古屋市)も、音楽を聴いたりデジタル写真フレームとしても使える受信装置を12月に発売する予定だ。
一方、9月から、全国の一般市民が自宅で揺れを観測するプロジェクトを始めた気象情報会社「ウェザーニューズ」(東京)。「緊急地震速報をきっかけに、自宅の揺れの種類や大きさを正確に知りたいという要望が多くなった」と同社広報担当。木造や鉄筋など建築構造の違いや建物の階数で実際の揺れは異なり、防災に役立ててもらうのが狙いだ。
センサー内蔵の計測機器を会員1000人に無料貸与、地震を感知すると発光ダイオード(LED)の光が揺れ、接続するパソコンに、震度と揺れのタイプなどが表示される仕組み。会員が外出中に地震が起きた場合も、今月22日からは携帯電話にメール送信されるようになった。
プロジェクトには延べ約4500人が応募したという。30〜40歳代の主婦や会社員が多く、同社は「乳幼児など、家族を守る意識が高い層」と分析する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081025-00000031-yom-soci