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2008年10月24日(金) 00時48分

<麻生外交>経済危機、日中共同対処を 防衛大校長に聞く毎日新聞

 麻生太郎首相が24日に初の日中首脳会談に臨む。福田前政権の対中政策をブレーンとして支えた五百旗頭真(いおきべまこと)防衛大学校長に麻生外交への注文を聞いた。

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 麻生氏が外相時代に提唱した「自由と繁栄の弧」という外交構想を、中国側は気にしている。9月末に訪中した際に「自由と繁栄の弧」を振りかざして外交をやるのか、と聞かれたので、私は「そうじゃないと思う。麻生首相が国連演説(9月25日)で『基本的価値を同じうする諸国と連帯し』と述べたのは、中国を排除あるいは封じ込める否定形のロジックではない」と答えた。首相は中国や韓国との関係も重視すると言っている。

 福田政権下で日中関係が改善したのは、日中平和友好条約を結んだ福田赳夫元首相の息子というブランドイメージもあるが、福田氏は要職に就いていない時も日中の関係改善に熱心だった。意外に重要なのは胡錦濤政権が対日関係改善の機会を求めていた点だ。

 信頼できる首相の登場を得て、東シナ海のガス田問題で政府間合意まで行い、かつて日本の国連常任理事国入りに反対運動をした中国が「日本の国連におけるより大きな役割を支持する」と約束した。北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)でも胡主席は議長の福田氏に協力した。

 双方とも良好な日中関係を望んでいるのは確かだが、トップ同士の信頼関係ができるまでしばらくは様子見という部分もあるだろう。だが、世界経済の危機に対する東アジアの共同対処に動くのが、麻生政権らしい独自の役割ではないか。【聞き手・古賀攻】

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