2008年10月24日(金) 00時13分
九州新幹線高架に不具合パネル=福岡「麻生」販売−コンクリから剥離、開業前補修(時事通信)
九州新幹線の高架橋建設工事に不具合のあるパネル材が使われ、コンクリートから剥離(はくり)するなどのトラブルが発生、開業前に補修作業が行われていたことが23日、分かった。パネル材を製造・販売したのは福岡県飯塚市の「麻生」(旧麻生セメント、麻生泰社長)で、同社は当時の経緯などを調査するとしている。
同社によると、パネル材は合成樹脂製で、高架橋の橋脚に橋げたを設置する際の「埋設型枠」として、九州新幹線の鹿児島中央−新八代間で多く使われた。建設工事が行われていた2001年ごろ、パネルがコンクリートからはがれ、すき間ができるなどの不具合が発生したため、金具で固定するなどの補修をしたという。
同社の藤本昭・経営支援本部副本部長は「補修件数や当時の経緯などの詳細を調査する。もし不具合を知りながら販売したのなら大きな問題。関係機関などにはデータを開示し、責任を持って対応したい」と話している。
九州新幹線を建設した鉄道・運輸機構は「開業前の点検でパネルが剥離している個所があり、補修させた。安全性に問題はないと考えている」としている。JR九州によると、04年3月の開業以来、剥離問題は発生していないが、「事実を確認し適切な対応を取っていきたい」としている。
泰社長は麻生太郎首相の弟。前身の麻生セメントは、政界転身前に麻生氏が社長を務めていた。
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