東京都立墨東病院など複数の病院で受け入れを断られた妊婦(36)が亡くなった問題で、舛添要一厚生労働相が24日午前、墨田区にある墨東病院を訪れ、小林剛院長ら病院幹部から事情を聴いた。厚労相が、現場となった医療機関に自ら足を運んで調査するのは極めて異例。
聴取後、舛添厚労相は記者団に「1番構造的な問題は医師不足だ」と指摘。全国に74か所ある総合周産期母子医療センターについても現状を調査し、改善を検討する考えを示した。
調査事項は産科医らのスタッフ数や当直態勢などとし、医師不足解決のためには「開業医など地域の人材を総動員するしかない」と述べた。
舛添厚労相は、同日の閣議後の記者会見で「(妊婦の死亡を)一部報道で知った。どうなっているのか」と、都から報告がなかったことに不快感を示した。
その上で「一生懸命やっている現場の医師を責めてもしかたがない。都にも責任がある。問題を徹底的にさらしてみんなの力で解決するしかない」と述べ、問題を検証した後、必要な対策を講じる考えを示した。
石原慎太郎都知事は同日の定例会見で「本当にレアケース。医者の数が多ければ、ここまで至らなかったかもしれない。医者の数を増やすのは国の責任だ」と強調。
舛添厚労相が「都にも責任がある」などと発言したことに対し「東京に任せてられないんじゃない。国に任せてられないんだ」と反論した。
厚労省は今後、妊婦の受け入れを断った慶応大病院(新宿区)や日赤医療センター(渋谷区)など墨東病院以外の7病院も聞き取り調査する。
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