江戸時代、広島城内にあった広島藩国老上田家上屋敷を当時のイメージに近い形で再現する改修が終わり、11月21日から4日間、茶道上田宗箇(そうこ)流の上田流和風堂(広島市西区古江東町)で披露される。原爆によって歴史の断絶を余儀なくされた広島で、桃山時代にさかのぼる「武家茶の空間」がよみがえる。
流祖の宗箇は江戸初期、城内に藩主から上屋敷を賜り、書院と茶寮の和風堂を造営。和風堂は明治初期まで12代にわたって営まれた。1731(享保16)年に描かれた古絵図が近年発見され、これを参考に当時のイメージを再現する改修事業が、2005年から進められていた。
今回の披露は公募せず、来年4月に2週間、特別公開される。特別公開は来年1月から予約を受け付ける。
【写真説明】「武家茶の空間」が再現され、11月に披露される上田流和風堂。廊橋で書院と茶寮を結んだ=広島市西区古江東町(撮影・坂田一浩)