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2008年10月23日(木) 23時37分

麻生首相に与党案を提出 追加経済対策産経新聞

 自民・公明両党の与党幹部は23日、麻生太郎首相に追加経済対策の与党案を提示した。2兆円規模の定額減税のほか、中小企業向け支援として法人税率の時限的な引き下げや設備投資優遇税制などを盛り込んだ。ただ、ばらまき色が強い施策が目立ち、景気浮揚につながるかどうかは不透明。財源についても埋蔵金などの「隠れ借金」に頼っており、財政の悪化は避けられない。解散・総選挙を控え、与党の選挙対策との批判も強まりそうだ。

 麻生首相は与党との会合で、与党案に盛り込まれた住宅ローン減税について、過去最大規模にするよう指示した。また、道路特定財源の一般財源化で1兆円を地方に回すことや、税体系の中期プログラムを書き上げることなども求めた。

 与党の追加経済対策では、定額減税など税制面での支援が中心となった。さらに雇用保険の引き下げや子育て支援、水田の活用に取り組む農業者支援といった施策も盛り込まれ、公明党幹部は「庶民重視の施策を重視した」と胸を張った。ただ、前回の総合経済対策以上にばらまき色が強まった印象は否めず、第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストは「効果は吟味されていない」と指摘する。

 一方、財源に関しては、財政投融資特別会計の準備金を活用することもほぼ固まった。いわゆる「埋蔵金」だが、本来は国の借金である国債の返済償還に充てる資金であるため、既存の借金は減らないため、新規国債を発行しなくても赤字国債を発行するのと同じ結果を生む。「赤字国債に極力依存しない」と明記したが、「埋蔵金」を隠れ簑(みの)にしているにすぎない。

 与党案の提示を受けて、政府・与党は来週中に追加経済対策を正式決定した上で、第2次補正予算案の策定に入る。与党内からは「(国の直接的な財政支出を示す)真水(国費)で5兆円、事業規模で20兆円」との景気のいい声も聞こえてくる。前回の総合経済対策を2倍超の額となるが、負担の拡大を懸念する声も出ており、財政悪化の恐れが強まっている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081023-00000602-san-bus_all