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2008年10月23日(木) 23時24分

<追加経済対策案>総選挙にらみ「大盤振る舞い」毎日新聞

 自民、公明両党が23日まとめた追加経済対策案は、衆院解散・総選挙を見据えた議員心理を背景に、有権者向けの「大盤振る舞い」の様相となった。与党内の調整は当初、米国初の金融危機を念頭に始まったが、麻生太郎首相が掲げた「生活対策」路線を受けて、対策案には介護、医療、雇用対策などもずらりと盛り込まれた。ただ、定額減税など個別政策の規模と財源にはまだ道筋がついておらず、財源問題は先送りされている。

 与党議員は次期衆院選について「11月30日投開票」を念頭に、選挙準備を進めており、今回の追加対策は政調幹部が中心となってまとめた。与謝野馨経済財政相や中川昭一財務相とも折衝を重ねたため、事実上の政府・与党案となる。しかし、規模と財源については「最終段階でも、明示できるかどうか分からない」(自民党幹部)との声がもれる。

 来年度の税収見通しが固まるのは、来月中旬以降。景気後退により大幅な税収減も予想され、20兆円規模にまで広がった追加対策の財源問題は、難航必至だ。すべてのメニューを実行するため、小泉政権以来の歴代内閣が続けてきた財政再建路線が転換される可能性もあり、党内の財政規律派には異論もくすぶっている。

 政府・与党は焦点の定額減税と高速道路料金引き下げの財源に、「埋蔵金」と言われる特別会計の余剰金を活用する方針だ。ただ、自民党の中川秀直元幹事長は23日、町村派の総会で「特別会計余剰金は役所の資産ではなく、国民の資産。余剰金を使いながら、財政再建を先送りすると言ったら、論理矛盾になる」とくぎを刺した。

 また、財投特会の余剰金は国債償還に使うことが法律で義務付けられており、定額減税や高速道路料金引き下げの実現には次期通常国会での法改正が必要。早期の衆院解散を求める民主党は国会での対決色を強めており、麻生首相が解散を先送りすれば、関連法案の成立が遅れ、「実効が出るのは、5月になる可能性がある」(伊吹文明前財務相)との懸念も出ている。【三沢耕平】

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