2008年10月23日(木) 23時15分
新薬師寺、30体以上の仏像並ぶ?(産経新聞)
新薬師寺は、平城京の東に大伽藍(がらん)が広がり、薬師如来など30体以上もの仏像が並んでいた可能性があるという。平城京西部には藤原京時代から法灯が継承された薬師寺があるのに対し、光明皇后は京の東に新たな寺院を建立することで東方にある薬師如来の浄土「浄瑠璃(じょうるり)世界」を具現化しようとしたようだ。
創建時の東大寺大仏殿にも次ぐ規模という金堂内に具現化された浄土世界。記録によると、薬師瑠璃(るり)光如来など7体の仏像「七仏薬師像」が並び、それぞれに脇侍、さらに十二神将などが守護する荘厳な空間が広がっていたらしい。奈良教育大の山岸公基准教授(日本・東洋美術史)は「堂の規模からするとさらに多く安置されていても不思議はない。荘厳美麗を尽くした群像だったことだろう」と考える。
「続日本紀」には天平勝宝3(751)年、病気の聖武太上天皇のために49人の僧を新薬師寺に招き延命の祈願を行ったとする記述もあり、同寺で実際に厳粛な祈りがささげられていたこともうかがえる。
「薬師如来の浄瑠璃世界は東にあるので、この地に寺を置こうとしたのだろう。東に建てることで聖武の延命を祈り、都城の新たなモニュメントにもしようとしたのではないか」。山岸准教授は当時の国力を踏まえ、こう指摘した。
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