記事登録
2008年10月23日(木) 08時01分

首相、キレた 連夜の会合追及され… 「自腹だ」「営業妨害するな」産経新聞

 麻生太郎首相は24日に就任1カ月を迎えるが、連夜のように帝国ホテルの高級会員制バーなどでの会合に繰り出している。景気低迷に国民は青息吐息の状況で政府・与党も総合経済対策のとりまとめに躍起になっている最中のこと。会合とはいえ、世論に首相の感覚のズレを問う声も出始めているのは事実だ。これに対し首相は22日、記者団の執拗(しつよう)な“追及”に激怒、「ホテルのバーは安い」「営業妨害だ」などと“キレた”ような言動で逆襲した。首相の言い分は国民の胸にどう響くのか。

 首相が就任後から22日までに、私邸にそのまま帰宅したのは、わずか5日にとどまる。夜の会合が“日課”となっているわけだが、2軒、3軒とハシゴすることも珍しくない。就任以来、立ち寄ったレストランやバーなどでの外食は延べ32回で、平均帰宅時刻も午後10時53分となっている。「料亭通い」が批判された森喜朗元首相でさえ、就任後1カ月間の外食は延べ13回だった。

 麻生首相が会合に利用するのは、首相官邸にほど近い帝国ホテルやホテルオークラなどにある高級バーが多く、目的はもっぱら官房副長官や秘書官らとの打ち合わせや会食と発表されている。しかし、自民党内からも「こんなご時世に毎夜、高級店で会合を開くことはなかろう」(中堅)といった声も出ている。

 だが、首相は意に介さない。22日、記者団に「庶民の感覚とかけ離れているのでは」と問われ、「ホテルのバーは安全で安い」と反論し、費用も「自分で払っている」と強調してみせた。さらに、記者に「営業妨害して平気か。いま聞いているんだよ。答えろ」と不快感をにじませて逆質問した。

 周辺によると、首相は就任前から「執務後にバーやラウンジでブランデーを一杯、葉巻をくゆらしてクールダウンしないと帰宅しても休めない体質」。公式には秘書官と2人で食事といわれていた16日には、中華料理店で中川昭一財務相らが同席していたことも判明した。首相は22日夜、首相官邸でインドのシン首相夫妻との夕食会に臨んだ後、そのまま帰宅した。

【関連記事】
「ホテルのバーは安い」これが首相の感覚 一問一答
スーパー視察の後に…野党から辛辣な批判
総売上高1380億円 麻生グループ驚きの実像
転落の恐怖…麻生首相“伝家の宝刀”いつ抜くの?
麻生首相、祖父の墓参 就任後初めて

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081023-00000070-san-pol