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2008年10月22日(水) 16時31分

上関原発用地の埋め立て免許中国新聞

 中国電力(広島市中区)が山口県上関町で計画する上関原発建設で、県は22日、用地を造成するための公有水面埋め立て免許を中電に交付した。反対派は漁業への悪影響を訴えていたが、県は「周辺海域の水質への影響は軽微」と判断した。

 中電は年明け以降、埋め立てに着手。来年3月までに原子炉設置許可を国に申請する方針で、原発建設は2015年度の運転開始に向けて本格的に動きだす。

 埋め立てを申請していたのは、同町長島の建設予定地約33万平方メートルのうち、海上部分の約14万平方メートル。二井関成知事がこの日午前10時、山口市の県庁で中電の山下隆社長に会い、免許書を手渡した。埋め立て免許は6月に中電が申請。県は9月、意見照会した上関町の柏原重海町長から「免許に異議はない」との回答を得ていた。

 一方、建設予定地に近い祝島の住民371人は「海が汚れ、漁業での生活が成り立たない」などと反対の意見書を県に提出。漁業者74人は今月20日、県に埋め立て免許を出さないよう求め、山口地裁に提訴していた。今後、抗議行動が強まるとみられる。

【写真説明】中国電力の山下社長(手前右)に埋め立て免許を交付する二井知事

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200810220213.html