2008年10月22日(水) 10時12分
韓国最高峰・済州島漢拏山に登る(Oh! MyLife)
韓国の最高峰は、済州(チェジュ)島にある漢拏(ハルラ)山である。その漢拏山に10月上旬、登ってきた。
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済州島は韓国最南端の離島であり、日本の九州福岡、四国高知、それに紀伊半島の潮岬あたりとほぼ同じ緯度にある。
島は火山によって成り立っており、漢拏山はその中心にそびえる、海抜1950メートルの休火山である。対馬海流の通り道にもあり、気候は比較的温暖である。
登山コースはいくつかあるが、最もポピュラーなのが、東側の城板岳休憩所(海抜750m)から登るコースである。標高差1200メートル、水平距離9.6キロメートル、所要約4時間30分という、ゆるやかではあるが、距離の長いコースである。
異国の山に登るのは、記者は初めてだが、この済州島の山については、日本の山、特に西日本の山とほとんど変わらないな、という印象だ。
植生は、登山口から、中間部あたりまでは、常緑の照葉樹が目立つ。
中間部あたりからは低木落葉樹が目立ち、頂上部のあたりまで登ると、森林限界ぎりぎりとなり、ハイマツや、高山植物が見られ、荒々しい溶岩が大きく露出してくる。
日本のあちこちの山で、何度も見た光景と変わらない。標高は低いが、離島で風が強く、案内してもらった現地ガイドによれば、冬には2〜3メートルも雪が積もって、一般人は入山禁止となるそうだ。
記者らが登ったのは平日(10月7日)であったけれども、大勢の登山者が訪れていた。
韓国最高峰ということで、おそらく、韓国本土からも多くの人が訪れているのであろう。本格的な登山装備をした山屋さんもいるが、ほとんどは軽装のハイカー風である。中には、水も弁当も何も持たず、走るようにして登って行く人もいる。中間点付近には比較的大規模な休憩所があり、そこではカップラーメンや菓子なども販売している。水場は道中2カ所あって、湧き水が飲めるようになっている。
面白いところでは、企業の研修などにもこの山への登山を組み入れるのであろうか、この日も、ある大手企業グループの新入社員たちが、研修の一環として登山し、頂上で記念写真を撮っていた。
頂上は、見事な火口(お鉢)が形成され、普段は水が溜まって池になっているそうだが、今年は雨が少なかったそうで、水はわずかに底に溜っている程度だった。
島全体が世界遺産に指定されており、また漢拏山は国立公園でもある。従って、歩行コース以外はよく自然が保たれている。
頂上部も一部だけが開放されており、富士山のようにお鉢巡りはできないようになっている。ただし、歩行コース沿いには、ペットボトル、ビニール袋、菓子の包装などが散見された。公園管理人がゴミを拾っているそうだが、登山者への、より一層の啓蒙が望まれるところだ。
日本の山と同じく、韓国でも、すれ違うとき、挨拶をする。我々一行は15名であったが、他にも日本人が登っているらしく、「アンニョンハセヨ」、「こんにちわ」が飛び交う。それもお互いが自国言葉で、また相手方言葉で。それは実に自然であった。
(記者:斉喜 広一)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081022-00000001-omn-kr