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2008年10月21日(火) 08時04分

和歌山県不正経理 「預け」は出先機関に集中産経新聞

 和歌山県が会計検査院から約8000万円の不正経理を指摘された問題で、業者に公金をプールする「預け」など物品購入に関する不正は、日高振興局や東牟婁振興局など県土整備部の出先機関に集中していることが20日、わかった。不正経理はいずれも国庫補助予算を年度内に使い切ることが目的とみられるが、県職員には「本庁と出先機関との間で公金に関する意識のズレがある」と指摘する声もある。

 県によると、事業費ベースの不正経理額は7970万円に上り、内訳は農林水産部関係が約6300万円、県土整備部関係が約1600万円。農林水産部は約5500万円が国庫補助事業のアルバイト賃金に関するもので、残りが旅費の目的外支出と物品購入の不正だった。

 県土整備部は物品購入の不正と旅費の目的外支出が約800万円ずつあり、いずれも日高振興局や海草振興局、東牟婁振興局の建設部で見つかった。コピー用紙の年度越え納入や、発注品と別の物を納入させる「差し替え」といった物品購入の不正のうち約130万円は業者に公金をプールする「預け」と指摘された。

 県では、平成6〜8年度にカラ出張や「預け」などの手口で約13億4000万円の裏金を捻出(ねんしゅつ)していたことが判明。管理職延べ約6000人が給与や退職金から県に返済を続け、昨年春に利息分を含む約15億円の支払いを完了したばかりだった。

 今年2月に会計検査院が調査に入った直後から、一部職員の間で「複数の振興局で『預け』などの不正を指摘された」との情報が広がった。県土整備部に在籍したことのある職員は当時、「本庁では不正経理は絶対にありえない。まだそんなことをやっているのかと信じられない。出先機関との間に意識のズレがあるようだ」と話していた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081021-00000025-san-l30