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2008年10月21日(火) 22時36分

<小林多喜二>「蟹工船」人気でゆかりの地ツアー 北海道毎日新聞

 小樽育ちの作家、小林多喜二の代表作「蟹工船」の人気にあやかろうと、JTB北海道小樽支店は21日から、小樽市内の多喜二ゆかりの地を巡る「小林多喜二・1日文学散歩」と銘打ったバスツアーの募集を始めた。JTBは「1人でも多くの観光客を呼び込めれば」と期待を寄せる。

 ツアーは11月9日から5月17日まで計7回実施。多喜二の母校である旧小樽高等商業学校(小樽商大)や卒業後に勤務した旧北海道拓殖銀行小樽支店(現ホテルヴィブラントオタル)、小説「工場細胞」の舞台となった北海製缶、多喜二の住居跡や墓地などを巡る。市立小樽文学館の学芸員が同行して案内する。

 小樽市は通過型観光から滞在型観光への転換を目指しており、オフシーズンの観光客増加も狙って、JTBに働きかけていた。

 ツアーは1日コースの札幌発着が6800円、小樽発着が5800円。前日に小樽市内のホテルに宿泊する1泊2日コースは1万2000円。道内各地のJTB、JTBトラベランドで販売する。問い合わせはJTB北海道小樽支店(0134・25・7826)。【坂井友子】

 ◇小林多喜二

 日本のプロレタリア文学を代表する作家。1903(明治36)年、秋田県で生まれ4歳で小樽市に移住した。29年に酷使される労働者の実態を描いた「蟹工船」を発表。33年に特高警察に逮捕され拷問中に急死した。非正規雇用の拡大や長時間労働の増加を受け今年「蟹工船」ブームが起こりベストセラーとなった。

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