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2008年10月19日(日) 19時07分

<米大統領選>市民団体の虚偽登録問題で波紋 FBI捜査毎日新聞

 【ワシントン大治朋子】米大統領選への投票のため、事前に必要な有権者登録などを支援する全米最大規模の市民団体「エイコーン」の虚偽登録問題が波紋を広げている。米連邦捜査局(FBI)は詐欺などの疑いで捜査を開始し、人権団体は共和党に配慮した「政治的な捜査だ」と反発。エイコーンのスタッフの8割は黒人や中南米系で、事務所には人種差別的な脅迫電話やメールが殺到している。

 米メディアによると、北東部ロードアイランド州の事務所では女性(非白人)スタッフが電話で、人種差別的な言葉で脅された。

 エイコーンは貧困、低所得層の生活向上を目指し70年に設立された。40州に支部があり、選挙では未登録の有権者に登録を勧め、本人が記入した用紙を役所に提出している。

 国勢調査によると、白人の有権者登録率は7割、黒人は6割、中南米系は5割強にとどまる。米国では「個人の問題」とされ、行政機関は積極的には登録を呼びかけていない。

 エイコーンは今回の選挙でこれまでに21州で130万人の新規登録を支援した。だが、有権者名に「ミッキー・マウス」と書かれた用紙が見つかるなど、オハイオ州や西部ネバダ州など12州で虚偽記載が発覚した。

 民主党大統領候補のバラク・オバマ上院議員(47)は以前、エイコーンの幹部の教育に携わったことがあり、同団体の政治部門はオバマ氏を支持している。共和党の大統領候補、ジョン・マケイン上院議員(72)は15日のテレビ討論会で「エイコーンとの関係を説明すべきだ」と追及。AP通信は16日、エイコーンが不正に組織的に関与した疑いもあるとしてFBIが捜査を始めたと報じた。

 エイコーンは「ウソと分かる登録票でも勝手に廃棄できない。問題点は提出時に役所に伝えている」と釈明。有権者登録問題に詳しいフロリダ大のダニエル・スミス准教授は「アルバイトがさぼるために架空の人物を書いているようだ。実在しない以上、不正投票につながるとは思えない」と話している。

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