2008年10月16日(木) 01時07分
「減る資金、増す不信」 天引き相談続々 (産経新聞)
4月に始まった75歳以上を対象にした後期高齢者医療制度で15日、これまで保険料を払う必要のなかったサラリーマンの扶養家族など約300万人が新たに年金から保険料を天引きされた。また、国民健康保険(国保)の65〜74歳も同日から本格的に天引き制度が運用されたことで、130万人が新たに天引きとなった。
社会保障制度の先行きがまったく見えない中での、大切な生活資金の目減り。15日の市町村の窓口では、深刻な相談が相次いだ。
後期高齢者医療制度の保険料の誤徴収騒ぎが4月にあり、制度への不信が広がった東京都文京区。14、15の両日で、電話による問い合わせが計110件以上あった。窓口に相談にきた人も約80人。「取られる額が多すぎる」「制度を教えてほしい」「天引き額が正しいのか」といった問い合わせが寄せられたという。
告知を徹底するなど制度移行が比較的スムーズだった東京都江戸川区でも相談は通常の2割増だった。
埼玉県では、県国保連合会の手続きミスで、川口市の約1万人に誤った天引きが行われた。窓口には、返還時期などについての問い合わせや苦情が相次ぎ、職員数十人が対応に追われた。誤徴収の理由を聞きに訪れた女性(76)は「役所は高齢者の生活に欠かせない年金を扱っているのだから、もっとしっかりしてほしい」と話した。厚生労働省などによると、市町村の手続きミスなどで、誤って天引きされた高齢者は全国で約2万人にのぼる。
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