2008年10月16日(木) 01時55分
「池田大作創価学会名誉会長の国会招致を」 民主・石井副代表、公明党を揺さぶり(産経新聞)
民主党の石井一副代表は15日、参院予算委員会での質問で、公明党とその支持母体の創価学会の関係を追及し、「政治と宗教」に関する集中審議の開催を要求した。石井氏は学会トップの池田大作名誉会長と、公明党・学会に批判的な立場をとっている元公明党委員長の竹入義勝、矢野絢也両氏、福本潤一元参院議員の計4人の国会招致を要求した。公明党が最も嫌う学会幹部らの国会招致を持ち出すことで同党を揺さぶり、早期の衆院解散・総選挙への働きかけを強めさせるねらいがある。これに公明党は反発している。
「(学会は参院選の選挙活動で)『民主党は仏敵だ』といっているんですよ。仏の敵。どうして仏敵なのか、学会の最高幹部に聞かせていただきたい」
石井氏は、昨夏の参院選の投開票日の3日前に、ある県の学会の施設内で行われたとされる選挙運動を録音したディスクを振りかざし、こう詰め寄った。
石井氏のボルテージはさらに上がっていった。
「わたしの調査では(学会の)宗教施設は全国に約1000カ所ある。それが選挙マシンと化す。宗教と政治と選挙が一体になっている。宗教施設が税法上の優遇措置を受けているのは宗教に使われるためだ。実態がこう(=選挙活動)なると逸脱している」
「自民党は、公明党の票がないと政権を維持できないから言いなりだ。(公明党の)後ろに影の力がある。それに公明党は唯々諾々と従っている。公明党が政権の中核で政策に注文をつけるのは日本の民主主義にとっていかがか」
参院第1委員会室は与野党議員のヤジで騒然となった。
答弁に立った麻生太郎首相は「公明党の選挙運動に詳しいわけではないし、公明党から、あの日に選挙をしろと差し込まれたことは一回もない」と述べ、反論した。
公明党は予算委で、すかさず反撃した。石井氏に続いて質問に立った公明党の山口那津男政調会長は「(石井氏が)補正予算と関係ないことを滔々(とうとう)と述べるのはいかがか。出どころ不明の資料を引用した」とかみついた。
また、山口氏は、宮崎礼壹内閣法制局長官が7日の衆院予算委で、オウム真理教の政党(真理党)が権力を握って布教することは「宗教団体が統治的権力を行使することに当たる」ため違憲と答弁したことを撤回するよう求めた。
宮崎長官は翌8日の衆院予算委で答弁を訂正しており、山口氏の質問は念押しの意味があるとはいえ、「政治と宗教」の議論に公明党がぴりぴりしていることを示したかたちだ。
参院予算委の質疑後、公明党幹部の一人は「民主党は解散に追い込もうと利用している。反発するほど国会招致を求める民主党の思うつぼにはまる」と語った。
一方、公明党と学会の関係を批判する民主党はこの日、党本部で「政治と宗教を考える会」(仙谷由人会長)を開催。約30人の議員が衆院選を控え、民主党と友好関係にある宗教団体やその支持者との連携強化について協議した。
また石井氏は、予算委での質疑後、「(国会招致の要求は)小沢(一郎代表)と輿石(東代表代行)に話してある」と強調、追及を続ける姿勢を示した。
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