2008年10月15日(水) 12時13分
留学仲介「ゲートウェイ21」との金銭トラブル(Oh! MyLife)
海外留学の目的は異国に在留し、その土地のあらゆる文化を学ぶことだが、株や不動産物件を買うのと同じ「投資のひとつの形」とも言えるだろう。
親が費用を出す場合は「わが子の将来への投資」。自分で費用を出す場合は「自分磨きのための自己投資」。
留学仲介会社・ゲートウェイ21の経営破たんの報道は、上海に住む私の周りでも話題となった。留学予定者約1300人が支払った留学費用の行方は、特に気になるところだ。
■ゲートウェイ21との金銭トラブル
2006年、私はゲートウェイ21の仲介で大連に語学留学をし、その後、金銭トラブルに巻き込まれた。
契約したのは、「いち押し」とすすめられた1週間ホームステイ体験付きの1年留学プラン。旅行保険、航空運賃を除いて支払った総額は約100万円。
ホームステイが終了した翌日、大学で手続きを行っていた時のことだ。
現地サポートを請け負っていたのは、大連康輝国際旅行社。教科書代を含めての授業料を支払っていたにも関わらず、当時の担当者は、
「教科書代を受け取っていません」
と立て替え分の支払いを要求した。
もちろん、そんな要求に応じられるわけがない。
案内された寮の部屋も指定した条件とは異なっていたため、部屋を交換できないか交渉を願い出たところ、
「ゲートウェイからの依頼どおりの部屋です。今日は忙しいので、また明日連絡します」
という回答。
出国前の説明では、「現地サポートも24時間態勢。あらゆる相談に敏速に対応します」と聞いていたし、受け取った資料にもそう記述されていた。
国際電話で日本側に問い合わせたところ、
「中国人の感覚はアバウトだから困る」
と言い、教科書代についても、
「私たちは全額、送金しました」
と、現地側の対応を批判するのみだった。
■現地の先輩留学生が助けてくれた
結局、部屋の件は先輩留学生らに助けを求め、別の部屋に変えてもらったのだが、2カ月後、上の階からの水漏れ被害に遭い、一般住宅を借りることになった。
そこで残額の返金を求めたところ、なんと3カ月分の寮費しか学校側には支払われていないということが発覚した。
ゲートウェイ側は、「現地側の責任」「私たちはやるべきことをやった」「返金要求は契約違反」などと責任逃れの発言を、のらりくらりと繰り返すだけ。
最終的に大学事務室が介入したことで、ようやく未納分30万円弱全額の返金に応じた。
このようなトラブルの話はゲートウェイに限らず、他社を利用した学生らから聞くこともある。
だが、これから留学へと歩み出そうとしていた1300人の思いをも、ゲートウェイが裏切ったことは事実だ。
留学を決意したものの、どのように手続きを行えば良いか分からず、すがる思いで、サポートを依頼した人もいれば、私のように学習したものの、実際に言葉が通じるかどうか不安だから、とサポートを依頼した人たちもいただろう。
■資料は自分で直接取り寄せられる
留学を経験したからこそ、入学申請書の取得や宿舎の手配ぐらいは、自分で行うことも可能だということを知った。
長期留学であれば、100万円の費用は必要だ。そのうえ、入学申請書の取得や空港出迎え、携帯電話の手配や大学周辺の施設案内などなど、現地での細かい生活サポートまですべてを仲介会社に依頼すると、その分料金も高くなる。
銀行口座の開設方法や生活をしていくなかで生まれる疑問は、現地入りした後、同じ学校に通う先輩留学生たちに聞けば済むことだ。
それでも、「安全と安心は、お金で買える」と、すべての手続きを仲介会社に依頼することを選ぶのならば、せめて仲介会社の説明による必要経費の情報をうのみにするのではなく、入学予定の学校に直接、費用詳細についての資料送付を依頼することもおすすめしたい。
中国の場合、特に多くの日本人留学生を受け入れてきた大学は、日本語のホームページや日本語対応可能な電話窓口が用意されている場合もある。
私の友人のように、
「サポート代が安いと思ったら、実際の寮費より5万円も高い寮費を払っていた」
などという事実に、ショックを受けても後の祭りとしか言えない。
(記者:長島 美津子)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081015-00000000-omn-soci