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2008年10月13日(月) 08時02分

三浦元社長、不眠腰痛に悩んでいた 関係者らが鎮痛剤差し入れも…スポーツ報知

 わずか10分、独房の中で何が−。ロス市警は11日午前(日本時間12日未明)に会見を開き、三浦和義元社長(61)の自殺について本格的に捜査することを明らかにした。しかし遺書も見つかっておらず、依然として詳しい動機は謎のまま。その一方で、元社長に近い関係者は約8か月に及んだサイパンでの拘置で、常用していた薬が日本にいた時のようには服用できず、心身ともに不安定な状態だった可能性を指摘している。三浦元社長の妻は12日、遺体を引き取るため、成田空港から現地へ向け出発した。

 三浦元社長の自殺について詳しい動機は、いまだに明らかになっていない。定期巡回時の合間のわずか10分間。独房の元社長に何が起こっていたのか…。

 関係者によると元社長は日本で生活している時は、睡眠薬や精神安定剤などを服用していた。また腰痛のため鎮痛剤も服用していたという。

 サイパンでの拘置中も一定量の処方を受けていたが、日本で服用するようにはいかなかったようだ。この関係者は元社長から頼まれ、8月に約1か月分の鎮痛剤を差し入れたという。

 手紙でも「クーラーがガンガンで、少しふるえています」とつづっているように、冷房が利きすぎた所内で腰痛が悪化。不眠症気味だったともいう。この関係者は、長期間の拘置で元社長が肉体的にも精神的にも不安定な状態になっていった可能性を指摘している。

 三浦元社長は2007年4月、神奈川県平塚市の自宅近くのコンビニでサプリメント6個(3632円相当)を万引きしたとされ、横浜地裁小田原支部で争っていた。弁護側は「服用していた睡眠薬の副作用で責任能力がなかった」と主張。元社長が精神的に不安定になるときがあったことを示唆している。

 元社長の自殺から一夜明けた11日午前(日本時間12日未明)、ロスの日本総領事館の出木場勝領事が市警前で報道陣の取材に応じた。領事によると10日午前10時頃、三浦元社長本人から電話があり、同11時ごろから約15分間にわたって市警で面会したという。

 面会で元社長は「留置場で読書はできないと言われた」「揚げ物は食べられない」と市警に対する不満を領事らに伝えたが、特に変わった様子はなかったという。

 約10時間後、事態が急転した。午後9時45分ごろ、元社長の移送に同行したリック・ジャクソン捜査官から「自殺を図った」との連絡が領事館側に入る。その約10分前の定期巡回時に変わった様子はなかったという。

 ロス市警によると、三浦元社長がいた地下の留置場は部分的にビデオで監視をしているが、独房内までは監視されていないという。収容前に精神状態を調べるための質問をしたが、自殺の兆候はつかめなかったという。

 遺体はロス郡検視局で12日以降に司法解剖される見通し。留置場の監視体制を調べ、調査結果の大部分も公表するとしている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081013-00000068-sph-soci