2008年10月12日(日) 08時03分
三浦元社長が自殺 ロス市警留置場内で(産経新聞)
【ロサンゼルス=松尾理也】ロス疑惑銃撃事件で、米自治領サイパンで逮捕され、米ロサンゼルスに移送、勾留(こうりゅう)されていた元会社社長、三浦和義容疑者(61)=日本で無罪確定=が10日午後10時(日本時間11日午後2時)ごろ、ロス市警本部の留置施設で首をつって自殺した。元社長の死亡で、訴追手続きは停止される見込み。事件から27年、日米の捜査当局を巻き込んだ「ロス疑惑」は、事件発生地で三浦元社長が自殺する衝撃の結末を迎えた。
関係者によると、三浦元社長は留置施設内で、Tシャツで首をつっており、搬送先の病院で死亡が確認された。三浦元社長は10日にサイパンから移送されたばかりだった。
弁護人のゲラゴス氏は11日、AP通信に「ショックだ。(三浦元社長の)精神状態は良さそうだった。(法廷)闘争にも前向きだった」と語った。ロス郡当局が司法解剖して死因を調べるという。
ロス疑惑では、三浦元社長の妻、一美さん=当時(28)=が1981(昭和56)年8月、ロス市内で頭部を殴られて負傷(殴打事件)、同年11月には頭部を銃撃されて重体となり(銃撃事件)、翌年死亡した。三浦元社長は事件後、一美さんにかけられた1億6000万円の保険金を受け取っていた。
警視庁は昭和60年、殴打事件の殺人未遂容疑で、63年には殺人容疑で三浦元社長らを逮捕。殴打事件では平成10年に実刑が確定したが、銃撃事件では15年、最高裁で無罪が確定した。
ロス市警は事件から約27年後の今年2月、三浦元社長をサイパンで逮捕し、訴追手続きを進めていた。
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■ロス市警が会見
【ロサンゼルス=松尾理也】三浦和義元社長の自殺を受け、ロサンゼルス市警のリック・ジャクソン捜査官ら2人が11日午前9時(日本時間12日午前1時)に会見し、「初期の捜査段階なので詳しいことはわかっていない。独房に収容される際のチェック手続きでは、変わったところはなかった」と説明した。
また、ジャクソン捜査官らは、自殺を受けて医療スタッフが呼ばれる10分前に三浦元社長の収容された区画への見回りが行われていたことも明らかにした。
三浦元社長はロス市中心部にあるロス市警本部内の留置区画に収容されていた。同区画では担当者の見回りが20〜30分ごとに行われていたという。
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◇おことわり 米ロス疑惑銃撃事件で産経新聞社は、逮捕された三浦和義容疑者の呼称を「三浦和義元社長」とします。日本で無罪が確定し、自殺によって米国でも刑事責任追及ができなくなったためです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081012-00000041-san-int