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2008年10月12日(日) 20時59分

中学生の体力、10年間で向上 昭和60年よりは依然低水準産経新聞

 中学生の体力がこの10年間で向上していることが12日、文部科学省の平成19年度体力・運動能力調査で分かった。小学生も体力低下には歯止めがかかった。ただ、いずれもピーク時の昭和60年度の体力水準を大きく下回っている。

 調査は昨年5〜10月、6〜79歳の男女約7万4000人を対象に実施された。

 新しい方式で体力テストが始まった平成10年度と比べた場合、中学生(13歳)は、男女とも各項目で記録が向上。50メートル走では男子で0.06秒、女子で0.03秒速くなった。ハンドボール投げでも男子で0.14メートル、女子で0.19メートル記録を伸ばしている。

 しかし、ピーク時の昭和60年度の記録との比較では、50メートル走で男子が0.04秒、女子が0.22秒遅く、持久走に至っては男子で約25秒、女子は約22秒も下回っている。

 小学生は、平成10年度との比較では50メートル走やソフトボール投げといった項目でほぼ横ばいだったが、立ち幅とびで記録を落とした。

 一方、65歳以上の高齢者の運動能力は上昇傾向が続いており、時間内に歩ける距離を試す「6分間歩行」などで男女ともに過去最高を更新した。40歳以上の男女でも、10年度と比べて全体的に記録が上向いているという。

 中学生の体力向上について、調査にあたった順天堂大の青木純一郎特任教授は、男女ともに約9割が運動頻度について「ほとんど毎日(週3日以上)」と回答したことに注目。「中学生はトレーニング効果が大きく影響している」と分析している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081012-00000550-san-soci