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2008年10月12日(日) 01時56分

【三浦元社長自殺】「疑惑」闇のまま…“直接対決”目前になぜ?産経新聞

 【ロサンゼルス=松尾理也】27年前のロス疑惑銃撃事件で、米自治領サイパンでの逮捕、拘置を経てロスに移送された三浦和義元社長(61)=日本で無罪確定=が自ら命を絶った。約7カ月に及んだサイパンでの拘置に「不当逮捕」を訴え、ロスに身柄が移った翌日、死を選んだ。捜査当局との直接対決を目前に、「戦いの準備はできた。ロスに行く」と話していたという元社長に何があったのか。ロス疑惑は疑惑のまま幕を閉じようとしている。

 「今は何も情報がない。朝まで待て」。自殺の一報に、ロス市警には、日本の報道陣が詰め替け、市警の当直者は、混乱していた。

 三浦元社長はサイパン時間の10日早朝、民間機でサイパンを出発。グアム、ハワイを経由し、ロスに向かった。青いジャケットとジーンズ、黒の帽子姿。移送の間、機内で食事を取ったり読書をするなど落ち着いた様子だったが、同乗した報道陣の問いかけには「一切コメントしません」と目を閉じた。

 飛行機を乗り継いで約20時間。ロスに到着後は市警本部に直行し、収監手続きを行った。

 在ロサンゼルス日本総領事館の領事は、元社長からの申し出に基づき市警本部で面会。元社長は「元気だ」と答えたものの、留置場では読書ができず、部屋から国際電話をかけられないと訴えた。「アレルギーのため、油で揚げたものが食べられないと担当官に伝えてほしい」とも要請した。

 移送完了を受けて、この事件の捜査を担当するロス市警のリック・ジャクソン捜査官が現地時間の10日午前、ロス市警本部で会見に臨んだ。

 「20年間、ある人物を逮捕するために待ったんだ。気分はいい」。こう話し、共謀罪で有罪に持ち込むことは可能との認識を示した捜査官。今回の捜査で来日した際、元社長の妻で殺害された一美さんの母親、佐々木康子さんに会い、一緒に墓参したエピソードも明らかにした。だが、それから半日あまりで思いもかけない“結末”に直面することになった。

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