2008年10月11日(土) 08時05分
携帯端末 日本市場で攻勢 台湾・韓国企業 コスト競争力武器(産経新聞)
日本の携帯電話市場で、アジアの端末メーカーが攻勢をかけている。台湾HTCは日本の全携帯電話事業者と高機能端末の供給で合意、韓国サムスン電子やLGも日本事業を強化している。コスト競争力の高さや洗練されたデザインを武器に、日本市場で実績を上げつつある。
HTCが5月に英国で発売した「タッチ・ダイヤモンド」「同プロ」は、発売3カ月で全世界で100万台超を販売した。その人気を受け、NTTドコモなど日本の全主要事業者がこの携帯端末の発売を決定した。
同社製品が採用される理由の一つは「調達コストの安さ」(ドコモ)。HTCは国際市場に年間数千万台の端末を供給する。数百万台を日本向けに生産する日本メーカーとは、コスト競争力に大きな差がある。
日本向けに製品をカスタマイズする姿勢への評価も高い。10日にイー・モバイルから発売されたHTC製端末は、若年層に人気の「絵文字」にも対応。この機能がない米アップルの「アイフォーン3G」などとの違いが鮮明だ。
韓国のサムスン電子はソフトバンクモバイルの秋冬モデルに高機能端末「オムニア」を提供するほか、LGも日本で高機能端末の投入を検討しているという。
LGは「日本法人の売り上げの6割が携帯」(金東建経営支援グループ課長)というほど携帯事業の比重が高い。「廉価な家電メーカー」との日本での旧来イメージを、先進的な携帯端末で払拭(ふっしょく)することを目指す。
今後は米マイクロソフトやグーグルの基幹ソフトを搭載した、世界共通仕様の携帯の普及が見込まれている。同仕様で豊富な経験を持つアジア企業にとり、日本市場攻略の好機が続きそうだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081011-00000051-san-ind