2008年10月11日(土) 15時01分
<電子入札>浦安市は1件経費324万円 県は15万円(毎日新聞)
千葉県浦安市が04年度、「人件費などのコスト削減」を目的に県内で初めて採用した電子入札システムの経費が、入札1件当たり約324万円(04〜07年度)に上っていることが分かった。県などが開発したシステムに参加すれば約15万円(07年度)で済んだため、市はシステムを開発した業者への委託契約期間が切れた09年度に県などのシステムに移行することを決めた。
浦安市の電子入札は、参加業者が多い公共工事の一般競争入札で導入された。04年度に業者に依頼して市独自のシステムを開発。業者には管理費や機器リース料など年間約1200万〜約2800万円を支払ってきた。08年度まで5年間の合計は約1億1020万円に達する見込み。
しかし、一般競争入札は当初、対象が予定価格1億5000万円以上に限られたこともあって、実施実績は04年度10件▽05年度0件▽06年度7件▽07年度10件▽08年度(10月1日現在)10件−−と、全入札の1割未満の計37件にとどまった。このため、1件あたりのコストが跳ね上がることになった。
一方、県は浦安も含む県内の全自治体と任意団体をつくり、06年度に電子入札システムを開発した。07年度末現在、市川市、佐倉市など15自治体が活用している。管理費は約1億288万円(07年度)で、1自治体当たり平均で約685万円で済んでいる。浦安もこのシステムを使えば経費を大幅に圧縮できる。
市のシステムがコスト高になったことについて、露木智広・市契約管財課長は「参加業者が多い一般競争入札だけを対象としたので件数は少なかった。費用がかかったのは事実だが、導入当時は共同システムがなく仕方なかった」と話している。【袴田貴行】
◇運営見直す必要
片木淳・早稲田大政治経済学術院教授(地方自治)の話 いち早く電子入札を導入した積極姿勢は評価できるが、結果として対象の範囲が狭すぎて非常なコスト高になってしまった。運営方法を見直す必要があるのではないか。
【ことば】電子入札
官公庁と業者をインターネットで結び、パソコン操作だけで入札に参加できるシステム。入札の参加申し込みや積算額の入力などがインターネットを通じてでき、入札結果も通知される。応札のコスト削減や事務量軽減の他、談合防止にも役立つとされている。
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