27年前の事件で再び逮捕され、サイパンから移送先のロサンゼルスで自殺した三浦和義元社長(61)。逮捕の不当を訴え続け、約7カ月に及んだ拘置の末に移送され、罪状認否のためロサンゼルス郡地裁に出廷する前の突然の自殺だった。
三浦元社長が逮捕されたのは今年2月22日。米自治領サイパンの空港で、突然逮捕状を突きつけられた。「わたしは日本で無罪になっている」。三浦元社長は驚きを隠せなかったという。
三浦元社長のロサンゼルスの弁護人は3月、逮捕状の無効確認を申し立て。8月にはサイパンの地裁に人身保護を請求した。
検察と弁護側の激しい攻防で審理は長期化。元社長の逮捕が、判決が確定した事件で再び罪に問われない「一事不再理」原則に該当するかどうかが争点に。ロスの郡地裁は9月、容疑のうち殺人については無効、殺人の共謀は有効とする決定をした。
弁護士が郡地裁の決定を伝え、今後の弁護方針を確認すると、これまでは移送を拒否してきた三浦元社長は「カリフォルニアに行く時が来た」と毅然とした様子で述べたという。