1981年のロサンゼルス銃撃事件で、今年2月にサイパンで逮捕、拘置されていた元会社社長三浦和義容疑者(61)=日本では無罪確定=が10日早朝(日本時間同日夜)、民間航空機で移送先のロサンゼルスに到着した。
三浦元社長はロス市警本部の留置場に収容され、14日に罪状認否のためロス郡地裁に出廷する。発生から約27年、日本で無罪が確定した元社長が米自治領のサイパンで逮捕される異例の展開となった「ロス疑惑」は、米本土での訴追という新たな局面に入る。
ロス郡検察は、妻だった一美さん=当時(28)=の殺害を目的とした共謀罪を軸に三浦元社長の有罪を立証する方針。今後予定される予備審理で開示される証拠の内容も焦点になる。
一貫して事件への関与を否定する三浦元社長が無罪を主張するのは確実。判決が確定した事件で再び罪に問われない「一事不再理」原則を根拠に、米側の刑事手続き自体の不当性も訴えるとみられる。
三浦元社長は日本からサイパンを訪問中の2月22日、逮捕された。移送を拒否していたが、現地の地裁が人身保護請求を棄却。ロス郡地裁に求めた逮捕状取り消しも実現せず、移送に同意した。
身柄移送はサイパンの10日未明に開始、グアム、ハワイを経由した。(共同)
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