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2008年10月10日(金) 20時01分

<秋葉原殺傷>加藤容疑者を起訴…刑事責任問えると判断毎日新聞

 東京・秋葉原の17人殺傷事件で、東京地検は10日、元派遣社員、加藤智大(ともひろ)容疑者(26)を殺人、殺人未遂などの罪で起訴した。約3カ月間実施した精神鑑定結果から、刑事責任を問えると判断した。公判では責任能力の有無が最大の争点になりそうだ。

 鑑定医が面接を重ねて事件当時や現在の精神状態、成育歴などを調べた結果、統合失調症などの精神疾患や人格障害はなかった。また▽ナイフ購入やトラック予約など準備を計画的にしていた▽事件前後の状況説明に矛盾がない−−ことから、地検は心神喪失や心神耗弱ではなかったと結論付けた。

 捜査を担当した主任検事らによると、加藤被告は生きがいを見いだせず、周囲からの孤立感を募らせていた。唯一のはけ口だった携帯電話サイトの掲示板への書き込みを無視されたことで不満を爆発させ、実行に及んだとみられる。現在は、遺族や被害者、自分の両親への謝罪や反省を口にしているという。

 地検は10日、遺族や被害者に加藤被告を起訴したことを伝えた。【岩佐淳士、三木幸治】

 ◇起訴事実

 6月8日午後0時半ごろ、秋葉原の歩行者天国の交差点にトラックで突入し5人をはね、うち3人を死亡させた。さらに刃渡り約13センチのダガーナイフで12人を刺し、4人を死亡させた(殺人、殺人未遂)。取り押さえようとした警察官をダガーナイフで刺して職務を妨害(殺人未遂、公務執行妨害)。事件に使ったものを含め5本のナイフを所持していた(銃刀法違反)。

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