2008年10月10日(金) 18時00分
世界同時株安の歯止めに各国が協調利下げ その狙いと効果が出ない理由とは(MONEYzine)
日本を除く欧米の6中央銀行は8日、電撃的な協調利下げ発表したが、その後10日現在、市場からは思ったような反応が得られていない。そもそもどのような目的で利下げはなされたのだろうか。
利下げに期待される効果としては、お金まわりを良くすることがあげられる。企業や家計が資金調達する際の金利が下がれば、資金を必要とする場所にお金が流れるようになる。つまり経済を活性化させるきっかけとなるのだ。これを各国が一斉に行うことで世界同時株安で麻痺している市場に対し、不安を一掃させることが今回の協調利下げの狙いだ。
過去にも、世界的な金融危機による混乱を避けるために、1998年のロシア経済危機時の金融システム不安や、2001年の米中枢同時テロ後には日米欧の中銀が協調利下げに踏み切ったケースがある。しかし今回の協調利下げに対しては、日米欧の株式市場は一様に反応が鈍い。ニューヨーク株式相場はその後も大幅続落し、東京株式市場もニューヨークの続落と、外国為替市場で急速に円高が進行したことを受けて10日は再び暴落し、10日の終値は前日881円安の8276円となっている。
なぜ反応が鈍いのか。9月の米証券大手リーマン・ブラザーズの破綻を口火に、欧米金融機関の経営難が次々と明るみとなっている今、市場は疑心暗鬼に陥っている。銀行間で取引する短期金融市場の機能も麻痺したままで、協調利下げだけでは効果が出ないほど状況は深刻だ。日本企業の場合は、その収益とバランスシートに比べて売られすぎているきらいもあるが、株価反転の材料と期待される米国を中心とした公的資金注入などの実施が遅れれば、実体経済の悪化も懸念される。
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