2008年10月10日(金) 11時53分
製造部門を分離した AMD、今後の課題は?(japan.internet.com)
製造部門を分離して The Foundry Company という別会社を設立することになった AMD だが、これでライバルの Intel と本当に競争できるだけの力を取り戻せるのかが新たな焦点となっている。
米市場調査会社 In-Stat のシニアアナリスト Jim McGregor 氏は次のように述べている。「これは一種の救命措置だ。AMD はバランスシートの改善が必要で、同社の財務状況を考えるとこの措置は絶対に必要だった。製造部門を分離することで必要な運転資金を確保することができ、今いる人員をさらに活用できる新しいビジネスモデルが生まれる可能性もある」
アナリストや業界関係者は製造部門の分離について、重要で必要な措置だったと考えている。株式市場はこのニュースを好感し、世界中の市場が低調な中、AMD の株価は8.5%も上昇した。しかし、業界観測筋によれば、AMD が競争力を強化するにはまだ十分ではないという。
AMD の最高マーケティング責任者を務める Nigel Dessau 氏もそのことを認め、「製造部門を分離するだけで Intel との競争力が高まるとは思っていない。競争力を高めるには、製品の製造、設計、開発において正しい施策の実行が不可欠だ」との見解を示した。
同氏は次のように述べている。(製造部門の分離によって)「バランスシートが改善され、AMD が設計に集中できるようになるが、それだけにすぎない。ライバルを凌ぐ技術革新を起こし、ライバルにまさる設計をし、ライバルより優れた製品を生産しなければならない」
一方の Intel だが、この動きに物言いをつけたいところかもしれない。特許侵害で互いに訴訟を起こしている両社だが、1976年からクロスライセンス契約を結んでいる。
2001年に結ばれた最新の契約では、AMD は製造事業を部分的にでも保有し続けることになっている。Intel のある広報担当者は、この条項に触れるのではないかとして、Intel は「今回の発表に重大な疑念」を持っていると語った。
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