2008年10月09日(木) 15時52分
Netbook・低価格ノート PC 生産、利益拡大に繋がらず(japan.internet.com)
世界的な不況にもかかわらず、ノート PC 市場は「Netbook」の台頭で活気づいている。台湾系 ODM 企業各社は揃って市場に参入し、受注獲得に懸命だ。
しかし ODM 各社が行った最新の業績発表を見ると、低価格 PC「Netbook」は平均単価を押し下げるとともに、各社の売上高と利益高の低減を引き起こしている。こうした流れはノート PC の受託生産産業に衝撃を及ぼす恐れがある。
ODM 企業関係者によると、コア部品メーカーであれシステムメーカーであれ、低価格 PC の価格は従来のノート PC の半額程度で、利益率こそ変わらないが売上高と利益高の減少圧力は相当なものがあるという。
ノート PC 受託生産のトップ企業であるクアンタ(Quanta Computer=広達電脳)と Wistron(ウィストロン=緯創)が8日に公表した9月の売上げ実績を見ると、「Netbook」生産に参入していない「Wistron」の9月売上高は前月比60.2%増の498億1,200万 NT ドルに達し、昨年同期比67.79%の成長で過去最高を更新した。
一方、エイサー(Acer=宏碁)と Lenovo の「Netbook」生産を請け負っている「クアンタ」の9月売上高は615億3,000万 NT ドルとなり、前月比0.3%の成長で昨年同期比22.6%下落している。
注目すべきは、9月のノート PC 出荷量が330万台で、7月とほぼ同じ台数だったにも関わらず、9月は「Netbook」出荷量が増加したために7月と比較すると売上高で35億9,000万 NT ドルのマイナスとなった点だ。
「Netbook」は500〜600 US ドルの超低価格が市場の注目を浴びて、一気に世界的に市場が広がったといえる。しかし、最近発表されたハイエンド機種では、一般的なノート PC の低価格モデルと価格差が変わらないモデルも登場し始めた。何れしても現在は市場形成期であり、ODM 各社もこの市場を積極的に開拓せざるを得ない状況にあるが、当面は売上高と利益高の両面での圧力に晒されることになるだろう。
記事提供:EMS One
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