2008年10月08日(水) 18時01分
国の救命センター評価項目を厳格化へ(医療介護CBニュース)
救命救急センターの医療提供体制の充実度を示す国の評価項目が厳格化される。厚生労働省は10月8日、「救急医療の今後のあり方に関する検討会」(座長=島崎修次・日本救急医療財団理事長)に対し、「救急外来のトリアージ機能」などの新たな項目を盛り込んだ充実度評価項目案などを提示、大筋で了承された。
救命救急センターの充実度の評価は、1999年度から始まった。空床確保数や深夜の医師の体制など24項目についてセンター側が自己採点し、国に報告する。合計点数によって「充実段階A」から「C」までの3段階にランク付けされる。「A」の場合は診療報酬による加算があり、「B」や「C」では補助金が減額される仕組みだ。
しかし、この評価基準をめぐっては、2006年度と07年度はすべてのセンターが「A」評価となっており、「基準が甘い。実態と乖離(かいり)している」などの問題が指摘された。このため、厚労省は評価基準を厳格化し、各センターや医療現場の実態に合った評価基準にするための検討を続けてきた。7月に検討会が作成した中間取りまとめでは、新たな評価基準の考え方として、重症患者への対応や地域の救急医療体制への支援機能など、三次救急医療機関に求められる機能の明確化や、第三者が評価できる項目を入れることなどを提案していた。
今回提示された評価項目案は全部で37項目。「救急外来のトリアージ機能」のほか、「医師事務作業補助者の有無」「医師の負担軽減に資する計画の策定等」など労働環境改善に関する項目や、都道府県など第三者が評価する項目として、「都道府県または地域メディカルコントロール協議会等への関与、参画」「救急医療情報システムへの関与」なども盛り込まれた。このほか、「DMAT指定医療機関の是非」「臨床研修医の受け入れ状況」などがある。
評価方法は、各項目の要件を満たしているか否かで、「評価項目」「是正を要する項目」のそれぞれが加点されていく仕組み。
新たなランク付けは、「是正を要する項目」の内容を見て、「A」から「C」の3段階に分ける。「是正を要する項目」が43点満点中22点以下なら「A」。2年間「是正を要する項目」が22点以上であれば「B」、3年以上なら「C」になる。各センターの評価結果は公表される見通しだ。
新たな評価項目の導入時期については未定。現在の評価項目より厳しい内容となるため、厚労省の担当者は「開始時期は配慮して決めたい」と話している。
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