2008年10月05日(日) 08時04分
【外信コラム】イタリア便り 男性が存在する限り(産経新聞)
イタリア諸都市は、旧東欧圏およびアフリカからの不法入国者による売春、特に街角に立つ女性の取り締まりに手を焼いている。
イタリアでは全国に約7万人の売春婦がいると推定され、その大部分が外国人女性だといわれる。彼女たちの多くはだまされてイタリアに運ばれ、監視下で過酷な環境の中で働かされており、人道的見地からも取り締まりが必要だ。
彼女たちは町外ればかりでなく住宅街などの路上でも、車でやってくる客を待つ。このため風紀上の問題のみならず交通妨害にもなる。
去る9月中旬から、ローマ市をはじめ各市が条例をつくり、現行犯で摘発された場合、街角の売春婦だけでなく客にも200ユーロ(約3万円)以上の罰金を科すことになった。
「人類史上もっとも古い商売」といわれる売春は、女性の売買につながるものだけに、イタリアでもこれまでいろいろな取締法が施行されてきた。例えば、1888年には「公娼制度」が導入され、警察と衛生局の管理下で「公娼宿」が設けられた。この公娼宿は1958年に売春禁止法が成立するまで、全国に717軒あった。
だが、売春禁止法がザル法であるのは日本と同様で、衛生的見地や女性保護の立場から公娼制度の復活を求める声すらある。
結局、売春は男性が存在する限り根絶不可能な商売といえるのではなかろうか。(坂本鉄男)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081005-00000048-san-int