2008年10月05日(日) 08時03分
個室ビデオ店火災 放火バッグは知人のもの 一緒に放浪、凶行直前の行動は?(産経新聞)
大阪市浪速区の個室ビデオ店「試写室キャッツなんば店」で15人が死亡した放火事件で、殺人容疑などで逮捕された無職、小川和弘容疑者(46)が火をつけたキャリーバッグは、一緒に来店した知人男性(42)のものだったことが4日、分かった。小川容疑者は「知人から持たされていたバッグが目につき、燃やして死のうと決めた」と供述しており、浪速署捜査本部は、離婚や借金など小川容疑者が自殺願望を抱いた背景とともに犯行直前の行動を捜査。凶行に至った心理状況の解明を進める。
調べでは、知人は自身が描いた絵を路上で販売して生計を立てていた。事件の2、3日前に大阪・心斎橋で露店を開いていたところ、小川容疑者と知り合って意気投合。その後、大阪周辺を一緒に放浪していたという。
小川容疑者は大阪府東大阪市加納の自宅マンションには戻らず、知人と一緒にネットカフェなどに泊まり込んでいた。
2人は事件当日、午前1時半ごろに難波に戻り同店に入店。別々の部屋に案内されたが、小川容疑者は知人のキャリーバッグも自分の個室に持ち込んでいた。このバッグには知人の衣類や新聞のほか、絵の道具などが入っていた。
供述によると、小川容疑者は午前3時前、勝手にこのバッグを開け、丸めたティッシュを置いてライターで放火。火は中の新聞紙に燃え移って大きくなったが、怖くなって逃げ出したという。
知人は重症の気道熱傷を負い、現在も入院中。浪速署捜査本部は、知人の回復を待って小川容疑者にバッグを渡した経緯などについて事情を聴く方針。
また、国選弁護人の岡本栄市弁護士は4日、小川容疑者が接見で「過去に2度自殺を図った。(今回も)自殺するつもりだったが、煙が苦しくて我慢できなかった」などと話していることを明らかにした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081005-00000065-san-soci